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新春の候、皆様におかれましては
益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
シェルパ・インベストメントの川本でございます。
今回は【過去物シリーズ】といたしまして
今までで反響の多かったものから
松下幸之助著『商売心得帖』の抜粋をお届け致します。
ご一読頂ければ幸いでございます。
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「頼もしく思って人を使う」
あなたは人使いが上手だ、その秘訣を話してくれ、とよく言われます。
しかし、当の本人は人使いがうまい、といった自信はそれほどないのです。
だから人使いのうまさはこういうところにあるということは
的確には申し上げられないと思うのです。
しかしはたからみて多少そういうことがいわれるのはどういうところなのかな、
ということを私は考えてみたのです。
人使いということはいろいろ見方がありましょう。
非常に強力な知恵と力をもっているから人をうまく使うという人もありましょう。
私自身はどうかというと、私は逆なのです。
強力な力も知恵も乏しいのです。
だから人に頼るとでもいうか、人に相談するとでもいうか、
そういうことに自然になるわけです。
それをうける方は権柄づくで命令されるよりも、
相談されてみればいやともいえないから、
じゃ協力しようかとこうなる。
そういう姿をみて、あいつは人使いがうまい、とこう感じられる場合もあるのでしょう。
が、私は人使いの上手下手というものは人によってみな違うと思うのです。
非常に力のある人であって、
誰にも相談もせずして過ちなく事を決行するだけの立派な人は、
やや命令的な態度をもってやった方が能率があがりますし、
また能率があがればそのあがった能率から生まれるところの成果は
適当に分配されますから、
それはそれでいいと思います。
しかし、そういう力のない者は、
私のやり方でやる方がいのではないでしょうか。
私はたいてい会社の社員をみますと、
私よりえらいという感じがするのです。
一つは私は学校も行っていませんからそういう感じがするのでしょうが、
彼はなかなか偉い青年だなとこう私は思ってしまうのです。
だから非常に頼もしく思うわけです。
頼もしく思いますから、君こういうことをやってくれないか、君ならやれる、
ワシだったらやれないけど君ならやれる、とこうなる。
そうするとそれじゃやってみましょうかとなる。
そして一生懸命やる。
そうすると成功する。
これは、ひとつの成功の形です。
そういうような形ができていたわけです。
それで、私の場合、幸い成功してきたわけです。
ですから、いわれてみればそういうこともやはり一つの人使いといえば
人使いのやり方のうちに入るのかなと思うわけです。
( 松下幸之助著『商売心得帖』より )
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何卒宜しくお願い申し上げます。
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